社会課題に、アンサーを。小売・飲食業界から、自販機やLPガス業界まで-幅広い業界へのソフトバンクのアンサー

社会課題に、アンサーを。小売・飲食業界から、自販機やLPガス業界まで-幅広い業界へのソフトバンクのアンサー

この記事のポイント

  • SoftBankはデジタル社会の発展に不可欠な次世代インフラの提供を目指す。
  • そのために国産の生成AIを開発する企業を設立。大規模なデータセンターの建設などにも取り組む。
  • SoftBankではAI共存社会を支える多種多様な事業に関わることができる。
合志 昭範

合志 昭範

SoftBank株式会社

  • AI テクノロジー本部
  • AI&データサイエンス統括部
  • データサイエンス部 部長

システム情報工学研究科にて修士(社会工学)を取得後、2005年に旧 ソフトバンクBB(現在のソフトバンク)へ新卒で入社。ブロードバンド事業の課金システム運用、モバイル事業のシステム統合など情報システムの経験を経て、2015年頃より機械学習を活用した業務に携わり始める。ソフトバンクホークスやサイバー大学への出向も経験。途中、別会社に転職し2021年にソフトバンクへ再入社し現在に至る。

summary

ソフトバンクの広大な事業領域とAI戦略

合志氏の自己紹介とキャリアパス

2005年にシステム情報工学研究科にて修士(社会工学)を取得後、ソフトバンクBB(現ソフトバンク)に入社。ブロードバンド事業、モバイル事業で情報システムの経験を経て、2015年からは機械学習を活用した業務に携わり始めました。ソフトバンクホークスへの出向や、一度転職後にソフトバンクへ再入社。

ソフトバンク株式会社の概要

宮川潤一氏が社長を務め、従業員は約1万8,000人、携帯電話契約数は4,000万回線を超える巨大企業です。意外にも、その事業の始まりは1981年のソフトウェア流通事業。孫正義氏が率いるソフトバンクグループとは、持ち株会社と事業会社という関係性です。 通信事業を核としつつも、ソフトバンクは近年、その領域を大きく拡大しています。セキュリティ、クラウド、DX事業に加え、PayPayを中心としたファイナンス事業、Yahoo!やLINEとの連携によるメディア・コマース領域の強化など、その動きは多岐にわたります。「Beyond Carrier」をキャッチフレーズに、通信事業者の枠を超えた挑戦を続けているのです。 その挑戦の最前線にあるのが、「次世代社会インフラ」というテーマです。特に注力しているのがAI分野。国産の生成AI開発を目指し、SB Intuitions株式会社を設立。AI時代に不可欠となる大規模データセンターを北海道に新設するなど、AI共存社会を支える基盤づくりを積極的に進めています。

AI&データサイエンス統括部の具体的な取り組み

本部署は、社内の様々な部門が立ち上げるプロジェクトにおけるAI・データサイエンス関連の開発を担っています。

法人事業部からの新プロダクト開発相談ではドローンとAIを組み合わせたサービス構想、モバイル事業におけるターゲット顧客への効率的なアプローチ提案、さらには社内業務効率化の相談まで、多岐にわたる依頼に対応しています。IT部門やビジネス開発部門と連携し、約70名のAIエンジニアやデータサイエンティストが3つの部で専門性を活かしています。

業界の課題を解決するAIソリューション

飲食・小売業界向けAI需要予測サービス「サキミル」

飲食・小売業界が抱える、需要予測の難しさによる在庫ロスや人員配置の最適化といった課題に対し、AIを活用した需要予測サービス「サキミル」を提供しています。過去の膨大なデータに加え、ソフトバンクの人流統計データや日本気象協会の気象データを掛け合わせ、高精度な来店予測を実現。店舗は、この予測に基づき、適切な発注や人員配置、販促活動を行うことができます。ガソリンスタンドや焼肉チェーンなど、幅広い業種で活用されています。

LPガス事業者向けソリューション「Routify」

LPガス事業者が抱える、ガス切れ防止と配送効率化という課題に対し、AIによる需要予測と配送ルート最適化の仕組みを提供しています。ガス残量を予測し、交換時期をAIが判断。さらに、最適な配送ルートを提案することで、配送距離と時間の削減に貢献しています。

自販機業界向けソリューション「Vendy」

全国に約400万台あるとされる自動販売機。どの自販機に何を補充するかという担当者の経験と勘に頼っていた部分を、AIで効率化するソリューション「Vendy」を提供しています。販売データに基づいた需要予測を行い、最適な商品ラインナップを生成。売れ筋商品の増量や、在庫が少ない自販機への早期巡回を促すなど、効率的な運営を支援します。LPガス事業者向けRoutifyと同様に、配送ルートの最適化機能も搭載しています。

社内向けAIソリューションによる業務効率化

社外向けだけでなく、社内向けのAIソリューションも開発・活用されています

会議室リアルタイム空き状況可視化システム

コロナ禍以降、会議室の予約が集中し、利用状況のミスマッチが課題となる中、AIを活用した会議室のリアルタイム空き状況可視化システムを開発。会議室に設置されたカメラで人物を検知し、在室状況をシステムに反映。予約システムと連携させることで、会議室難民の解消に貢献しています。

その他社内向けAI活用事例

  • 顧客の携帯電話利用状況に基づいた、パーソナライズされたキャンペーン提案
  • 健康保険証スキャン時の個人情報マスキングOCRツールの開発
  • データセンターの空調制御による消費電力削減
  • 携帯電話基地局の設置場所最適化

これらの事例を通して、ソフトバンクのAI テクノロジー本部が多岐にわたる分野でAI技術を活用し、課題解決に貢献しています。

ソフトバンクで働く魅力と求める人物像

ソフトバンクで働くやりがいとして、大規模な顧客基盤を持つ通信事業者ならではの影響力の大きさや、多様な業界の法人顧客との取引を通じて様々なソリューション開発に携われます。

変化の激しい環境である。ブロードバンド事業からモバイル事業へのシフト、他社への出向、OpenAIとの協業など、常に新しい挑戦が求められます。このような変化を楽しめる、積極的に挑戦する意欲のある人材がソフトバンクには向いていると思います。

メッセージ

ソフトバンクの幅広い事業領域と変化の激しい環境でとてもエキサイティングです。そのような環境を楽しみ、チャレンジ意欲がある人たちには最適な環境です。同じように変化を楽しみ、チャレンジできる人をお待ちしています。

q&a

Q1

普段、プロジェクトはどんな進め方をされていますか?他の職種との関わり方を含めて教えてください

私の部署はAIデータ関連の開発を行うというのがメインのミッションです。AI開発をする人だったり、基盤開発をする人と組みます。プロジェクト進める時にはビジネスメンバーとチームを組むことが多いです。

Q2

ソフトバンクのデータならではの特徴はありますか?

IDに紐づくお客様のデータが整理され大量にあるのは大きな特徴です。こういったデータは他社では簡単に手に入るものではありません。

Q3

スキルアップや学びの面で、どのような育成制度やサポートがありますか?

スキルアップ学びの面では、会社全体で言いますとソフトバンクユニバーシティという研修の制度を作っています。現場メンバーが作っているものもありますし、英語のような講座もあります。ぜひ調べてみてください。また部署としては最新技術をキャッチして欲しいので、そういう意味では結構スキルアップ、成長できる場所ではないかと思います。

Q4

合志さんが今の仕事に対してやりがいを感じていることはどのようなところでしょうか?

個人向けのサービスで感じたところではあるのですが、コンシュマーのデータが4000万件もあり、このビッグデータの処理は難しいです。それを時間内に処理できた時には非常にやりがいを感じました。また、法人のお客様にAIサービスを導入したときに、効率化できたという言葉をいただけた時はとても嬉しかったです。

Q5

AIエンジニアとして変化の激しい環境の中で働いて大変なことや逆に面白いと感じることを教えていただけますか

世の中の変化も激しいですが、ソフトバンク社内の変化も激しいですよ。新しいことに取り組む面白さと大変さがありますね。AIに対する期待の高さを感じています。AIはなんでもできるよねとお客様は考えられていることが多いです。その期待届かないこともあるので、そこは大変だなと思うこともあります。もちろんAIを活用して感謝していただける時にはとても面白みを感じます。

Q3

情報系以外の学生の採用について

生物学や農学の博士号を持つ社員がIoTを活用した農業向けソリューション開発で活躍しています。専門分野だけでなく、AIへの興味と継続的な学習意欲が重要だと思います。

Q4

国産LLM開発のメリットは?

日本語固有の法令や文化を理解したLLMの必要性があると考えています。海外のLLMでは誤った法令情報を出力するケースもあったのに対し、日本語で学習させたLLMではそのような問題を減らすことができました。

Q5

AIエンジニアに求められるスキルとは?

情報系の知識は必須ではないです。もちろんあるに越したことはないですが、AIといっても幅広い職種があります。アルゴリズム開発者、アプリケーション開発者、ソリューションエンジニアなど、多様なキャリアパスがあるのでぜひ検討してください。

Q6

各部署で求められるスキルは?

AIアプリケーション開発部では画像・音声系の開発経験、データサイエンス部では構造化データの分析や予測モデル構築の経験が望ましいです。

Q7

通信業界におけるAIサービス開発の特徴

40万社の法人顧客からのフィードバックが多く、顧客のニーズをダイレクトに捕まえ、反映できる点は大きなメリットだと思います。

Q8

インターンシップはありますか?

夏に2週間または4週間のインターンシップを実施しています。詳細はソフトバンクの採用ページで確認してください。